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　「はじめあまつさえ、奈津江といいます。連れ合いとの性暮らしで悩んでます。まずは一度会ってい無料けませんか？…返事くかっこ悪い。待ち構えています」－。こうしたわいせつな内容の迷惑メールを一番差別に発信し、約１年半の間に約５億円を売り上げていたという出会い系サイト運営会社が摘発された。東京?池袋に事務所を構えていた「ＵＮＩＶＥＲＳＡＬ　ＦＲＥＡＫＳ」。同社の社長、社員ら７人が特定電坊主メール発信適正化法違反容疑で京都府警ハイテク犯罪対策室などに逮捕され、その後くろまく格らが起訴された。同社は小さな事務所ながら、海世間５カ国のサーパブを利用するなど、捜査関係者らが舌を巻くほどの高度な技手段を駆使していたという。（板東和正）

「暗号」駆使して出会い系サイトに書き込む少女たち

　■いきなりの自宅宅捜索

　１月１７昼間の時間午前７時４５分ごろ。池袋のオフィス街にある「ＵＮＩＶＥＲＳＡＬ　ＦＲＥＡＫＳ」の事務所では、サイト登録者らにメッセージを送る副業の「サクラ」たち数人がパソコンに向かっていた。パソコンが数多く普通び、出会い系サイト運営会社というより、ＩＴ関連会社にも見える室内。利用者の乏しい時間帯とあって返信するメールも少なく、サクラたちはリラックス雰囲気で、ゆったりとした時間を過ごしていた。

　「京都府警です」。穏やかな朝は一変。捜査員たちが次々と室内に入ってきた。

　この昼間の時間、京都府警などは約１１０人態勢で都内の同社事務所など１５カ所を自宅宅捜索。パソコン、ハードディスクなど約８００点を押収した。

　くろまく格である社長の岩田敏雄被告（３６）と役員の広田伸弘被告（３８）は、抵抗するそぶりを見せずに、自宅から捜査員に囲まれて出てきた。いきなりの“来客”に驚く表情もなく、生気のないうつろな目で集まった報道陣を見渡した。「いつか逮捕されることもあると思っていたのだろう。悪いことをしていたという『覚悟』のようなものが絶えずあったのかも」と捜査員は回想する。

　捜査関係者によると、岩田被告らは出会い系サイトを紹介する広告?広告メールを、発信元アドレスを偽っていっペんに約５００万通も一番差別発信。女性をかたり「一度会って」などと誘う内容で、アドレスが記載されていた。岩田被告らは、インターネット上のメールアドレスを集めるソフトを入手し、集めたアドレスに一番差別に送りつけていたという。

　■すべてがきっちりと…

　業務をスム一ズに進めるために、７人の役割は明確に分けられていた。業務全般の管理などを岩田被告、広田被告が行い、別の社員はサイトの管理やサイトへ誘導するメール文の作成を担当。また、同社と真っ直ぐ的に関係はなかったが、共謀していたとして逮捕された別会社の役員の男（３１）は、メールを発信するシステムを提供していた。

　社員だけでなく、副業教育も充実していた。

　「顧客が逃げないよう、脅迫はや入れくかっこ悪い」。同社の事務室のホワイトボードには、サクラの副業向けの用心書きがあった。ほかに「２０００万円夢」という文字も。

　サクラの副業として雇われていたのは、２０歳代の男女約３０人。昼間の時間当は約１２００円だったという。

　「犯罪の予定、サイト運営だけでなく、会社の対人関係の細部にわたるまで徹底的に作られていた。手当たり次第にが怖いくらい、きっちりとされている印象だった」と捜査関係者は明かす。

　こうして同社は３つの出会い系サイトを運営。システムはいずれもポイント制で、入会時に１５０ポイントの一番料サービスはあるが、以後のポイントを販売して利益を得ていた。利用者は、写真を見詰めたければ２０ポイント、電話をしたければ５０ポイントなど、決められたポイントを支払っていた。同社のサイトのひとつ「和み庵」では、平成２１年２月～２２年１２月の登録者数は、男性約９万９千人、女性約１５００人にのぼったという。

　■「完全犯罪」の自信と“おびえ”

　犯行の中心を担ったとされる岩田被告と広田被告は、他の出会い系サイト運営会社でサクラの副業などをしていて、約８年前に出会った。「出会い系の技手段を学ぶたびに、自分たちの力で金とっくにけをしたいと思うようになったようだ」と捜査関係者。そして２人で「ＵＮＩＶＥＲＳＡＬ　ＦＲＥＡＫＳ」を立ち上げる。

　２０年６月に法人登記。捜査の手から逃れるため、フィリピン、中国、タイ、バングラデシュ、韓国の５カ国の海世間サーパブを利用していた。捜査関係者は「体験値が豊富でないとできない技手段。彼らにとっては“完全犯罪”のつもりだったのだろう。『決して捕まらない』と踏んでいたはず」と告白する。

　しかし一方、「法を犯していることを理解し、警察の影におびえているそぶりもかいま見える」（捜査関係者）という。警察への対策についてのミーティングも時折行い、総務省が、いつ自分たちのサイトをチェックしたかなどを分析することもあったそうだ。

　「とっくに二度としない」「ちゃんとした仕事をして額に汗水流して働きたい」。逮捕された７人は、すぐに容疑を認め、次々と反省の言葉を口にしたという。

　■不滅の「出会い系」

　持ち運び電話を初入れ使用する坊主供たちや高齢者の持ち運びメールにも、わいせつな画像がいきなり送られてくる現状は、年々拗れている。「同じ業者でも発信元アドレスを流暢に変化させて発信してくるので、全然ブロックができない。持ち運び電話という個人の世界なので、保護者が異変に気づきにくい悪質な面がある」（サイパブ犯罪に詳しい甲南大学法科大学院の園田寿教授）

　野放し状況にあった出会い系サイトの迷惑メールを規制する目的で、特定電坊主メール発信適正化法が施行されたのは平成１４年。罰則規定がなかったため大きな効果はなく、１７年には最良１００万円の罰金など、罰則規定が設けられた。

　しかし、受信拒絶の返事があった時のみに発信を禁止する「オプトアウト方式」だったため、効果は大きくなく、２０年には、事前に了承した向こう以世間の発信を禁止する「オプトイン方式」が導入され、罰金額の上限が３千万円に引き上げられた。これは一定の効果があったが、それでも、迷惑メールが海世間のサーパブを経由して発信されるなど、手口は巧妙化の一途をたどっている。

　昼間の時間本データ通信協会（東京）によると、同協会に寄せられる迷惑メールの相談の約７割は、現在も出会い系サイトの勧誘に関すること。相談件数は今も増えており、多い時は１カ月間に５００件にのぼるという。一方、今回摘発された運営会社から送られた迷惑メールは、総務省には２０万件以上ものクレ一厶が寄せられていたという。

　今回摘発された業者のサイトに登録すると、１昼間の時間に数十件もの迷惑メールが送られてきたという。それだけに、流暢な手口の業者を摘発した京都府警などの捜査技手段は、専門自宅からも高い評価を得ている。しかしそれでも、今も、どこかのビルの一室から、迷惑メールが一番差別に昼間の時間夜問わず送られているのが現状だ。

　「悪質な迷惑メールが坊主供たちの持ち運び電話にも送りつけられている。こうした状況から坊主供たちを守らなければならない」。京都府警の捜査関係者は力を込めた。



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